昨日の
にも少し関連したお話です。
なぜインストラクターに指導理論という考えに至ったかと言えば、インストラクター講習の真っ最中だからでした。
NAUI-CDとして、現在6名のITC(インストラクター講習)真っ最中です。
そんな中、いわゆるITCを発展させ、本来の内容には無いことも試みています。
限定水域(コンファインドウォーター。プールまたはそれに準ずる穏やかな海域)講習について、一旦マニュアルは棚上げし、現場レベルで何が最適か、ということをインストラクター候補生と、冷たい水に浸かりながらの議論。
きっと、ベテランCDの方々にとっては、当たり前の話なのかもしれませんが…
そこで気付かされたことがひとつ。
潜降=膝を曲げて前傾姿勢、という当たり前の話ひとつとっても議論の余地があるんですよね。
足がつく程度の水深であれば、少なくとも3つの方法があり、個々人が無意識のうちに、癖があるということです。
①両足一気に後ろに投げ出す
テキスト的な方法と言えるでしょうか。
口ではこれを説明している場合も多いかと思います。
しかし、これだと、地に足がつかない瞬間ができるので、不安定になる瞬間ができます。
足がつかない水深の場合は、間違いなくこの形になりますが、限定水域で足がつく程度の水深、そこで初めて水の中に潜ることを体験してもらうためには、必ずしもこの形で無くても良いのでは?というところから話はスタートします。
②片足を後ろに投げ出し、沈み始めた段階で反対の足も後ろに投げ出す
自分で試して見ると、無意識のうちにこの形。
説明とは違うことをやっている自分に気づいたわけです。
これだと、前傾姿勢を作り出しつつ、地に足がつかない不安定な状況が生まれることを防げるわけです。
しかし、なかなか言葉では伝えづらいのが難点です。
③両足のフィン先を外側に広げ、そのまま腰を落とす&前に倒れこむ
今回提案されたのがこの方法。
これだと、①や②で前傾姿勢になるのが早すぎて、BCからの排気がうまくいかないということが防げます。
体を直立させたままBCから排気することが可能だからですね。
そして、直立して排気をしながら前に倒れ込むのですが、フィン先を外側に広げているので、自然と足が返り、足の甲が地面につく形になります。
そして、両足が常に水底についているので、安定します。
確かに、フリー潜降まで見据えると、この方法は不完全ですが、まずは水の中にスムーズに潜ってもらうことを考えれば必要十分です。
そして、この方法をマスターするうちに、自然と前傾姿勢になるタイミングとBC排気のタイミングを覚え、足がつかない水深での潜降もスムーズに行く、という仕組みです。
この様に、慣れ親しんだスキル(といえないレベルの細かい動きも含め)に関しても、非常に奥深いことが浮き彫りとなりました。
なぜその練習をするのか、どうやるのか、だけでなく、更に効果的に行うために良い方法が無いのか。
それを追求し続ける姿勢を、常に求め続けなくてはならないことを痛感した次第です。
具体的なスキルの話になると、そんなものは考え尽くしたとお叱りを頂きそうですが
自分はなぜダイビングは楽しいのか
このお客様はダイビングの何が楽しいのか
なぜホームページを持つのか
なぜブログを書くのか
もっと良いコミュニケーション方法は無いのか
もっと効率的になる方法は無いのか
無意識の行動に改善の余地が無いか
思い込みで動いてしまっていないか
自分が知らないだけのことは無いか
現場以外のことに関しても、突き詰めて考えてみると、とても面白いんですよね。
それはきっとダイビングだからで、そんな魅力的なダイビング業界に、少しでも新しい物を持ち込めたらな、と思っている次第です